居酒屋が人手不足に陥る理由とは?DXも見据えた具体的な解決方法3選

昨今、様々な業界で人手不足と言われており、特に居酒屋をはじめとする飲食店では人手不足が深刻な問題になっています。

「人手不足に悩まされているが、その理由がわからない」「どうにか人手不足を解消させたい」と悩んでいる方もいるかもしれません。

本記事では、居酒屋が人手不足になる原因や解決方法を詳しく解説します。人手不足に悩む方は、ぜひ参考にしてください。



居酒屋が人手不足に陥る原因とは

居酒屋が人手不足に陥る原因はいくつか考えられますが、主な原因は次のとおりです。

  • 賃金が低い
  • 休暇・休憩が少なく拘束時間が長い
  • 人間関係や過剰なサービスによるストレスが多い

ここでは3つの原因を挙げましたが、より詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

▶関連記事:飲食店が人手不足になる理由とは?7つの原因ともたらす影響や解決策を解説


賃金が低い

厚生労働省のデータによると、産業別に見た賃金は「宿泊業、飲食サービス業」が最も低いです。また、賃金の上昇率は他の業種と比較しても緩やかで、知識や経験を積んでも、賃金があまり上がっていないことが読み取れます※1

さらに、賞与制度のない企業の割合が、他業種より高いというデータもあります※2

給料が割に合わず、モチベーションの維持が難しいという理由でスタッフが退職し、人手不足に陥るケースは多いでしょう。


休暇・休憩が少なく拘束時間が長い

居酒屋はサービス業であるため、お客さんの動き次第では忙しい時間が続きます。シフトやタイミングによっては休憩が取りにくく、スタッフのストレスが溜まりやすいこともあるでしょう。

お客さんの退店時間が遅くなると、その後の片付け作業や翌日の仕込みがずれ込み、長時間労働を強いられるケースも少なくありません。年中無休やランチの営業も行っている場合は、より労働環境が厳しくなるでしょう。

また、店を開けないと収入が止まるため、経営者の休みが少ない傾向にあり、従業員のなかには「休みづらい」と感じる方が多い傾向にあります。


人間関係や過剰なサービスによるストレスが多い

人手不足となる理由のひとつに、良好な人間関係の構築が難しい点も挙げられます。そもそも一人ひとりの肉体的・精神的なストレスが多いといわれる飲食業界で、ピリピリとした雰囲気になじめない方もいます。

また、スタッフ同士だけでなく、酒に酔った客に絡まれたり、無理な要求をされたりという、いわゆる「カスタマーハラスメント」が存在する場合もあります。居酒屋の現場は、対人ストレスが絶えない職場環境といえるでしょう。

業種別の労災に関する国の調査によると、飲食店の労災認定件数は「脳・心疾患」が3番目に多く、「精神疾患」が5番目に多い結果となっています。このことから、一部の飲食店の劣悪な労働環境により、労災件数の多い業種であることがわかります。



居酒屋における人手不足の解消方法3選

ここでは、居酒屋における人手不足の解消方法を3つ紹介します。

  • 雇用条件を見直す
  • 研修・評価制度を整える
  • デジタル機器やITサービスを活用する

なお、以下の記事でも飲食店の人手不足の解決策を紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

▶関連記事:飲食店が人手不足になる理由とは?7つの原因ともたらす影響や解決策を解説


雇用条件を見直す

雇用条件に不満があり、業務内容に対して給与が見合っていないという理由でスタッフが辞めるケースがあります。

この場合は、近隣の同業他社と給与水準を比較して見直し、業務内容や勤務時間に対する要望に柔軟に応えることで対策できます。

また、給与面だけでなく、福利厚生面の充実化を検討することも大切です。定期的にスタッフと面談を行い、どのような点に不満があるか聞き取るとよいでしょう。


研修・評価制度を整える

居酒屋の営業時間中は、調理や接客などで忙しく、スタッフ同士が十分にコミュニケーションを取る余裕がないことがあります。

そのため、事前に基本的な業務内容や接客マナーなどをまとめたマニュアルを作成しておき、すぐに確認できる状態にしておきましょう。

隙間時間に業務内容を覚えることができ、わからないことがあった時も、他のスタッフの手を止めることなく解決できます。

また、昇給や賞与の基準をあらかじめ明確にしておくと、スタッフに目標を持たせることができ、業務に前向きに取り組んでもらうことが可能です。


デジタル機器やITサービスを活用する

居酒屋の人手不足に悩んでいる場合、デジタル機器やITサービスを活用するDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することにより効率的に改善できます。

例えば、Web予約システムやキャッシュレス決済などのITサービスなどを利用すれば、スタッフが少なくても現場を回すことが可能でしょう。

また、ハンディーやタッチパネルなどのデジタル機器の導入は、スタッフが行っていた作業時間の削減に繋がります。

人手不足に悩んでいる場合、デジタル機器やITサービスを利用することでスタッフの人数に影響されることなく安定した運営が目指せます。

なお、一部条件に当てはまる場合は、助成金や補助金を活用してDXや業務効率化を図れる場合もあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

▶関連記事:飲食店が活用できる助成金・補助金とは?施策の事例や注意点を解説



居酒屋のDXにおすすめ!デジタル機器やITサービスとは?

DXとは「デジタル・トランスフォーメーション」の略で、「デジタル化で既存のシステムやプロセスを変えること」をさします。

例として、以下のようなサービスがあります。

  • Web予約システム
  • キャッシュレス決済システム
  • シフト管理アプリ
  • 配膳・調理ロボット

いずれのサービスも、これまでスタッフが行っていた作業を代行でき、人の手を取られる時間を短縮できます。ご自身の店舗にあわせてうまく導入すれば、最小限の人員体制で営業できるかもしれません。

居酒屋に導入したいデジタル機器やITサービスはいくつかありますが、ここでは以下の2つを紹介します。

  • Web予約システムを導入して電話対応を減らす
  • 調理・配膳ロボットを活用してキッチンの作業効率を上げる

なお、DXについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

▶関連記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?定義や食品業界の具体例をわかりやすく解説

 


Web予約システムを導入して電話対応を減らす

Web予約システムは、お客さんがWebから直接お店を予約できるサービスです。

スマホなどの画面上に予約可能な時間やコース料理の内容などを表示できるため、電話でのやりとりが不要です。お客さんが細かい要望を入力できる画面もあり、スタッフ間で内容を共有できます。

また、電話対応では、聞き間違いや手書きによるミスが発生することもあり、特に忙しい時間帯は対応が難しいでしょう。その点、Web予約システムを導入すれば電話対応に時間を取られずに済むため、店頭の対応に集中して営業できます。


調理・配膳ロボットを活用してキッチンの作業効率を上げる

調理ロボットは、スタッフの代わりに調理作業が可能です。ロボットに任せることで作業が安定するため、違うスタッフが担当することで起こる調理のムラや無駄を減らせるでしょう。

配膳ロボットは、作った料理を客席へと運び、空いた食器類を下げることができます。多くの料理を同時に移動できるため、業務効率が高まり、ホールの人手不足解消に役立つでしょう。

これらのロボットを店舗の状況にあわせて活用できれば、スタッフが少なくても現場を回せるため、スタッフ不足によるやむを得ない店休日を作らずに済みます。

配膳ロボットについて詳しくは以下の記事で紹介しています。

▶関連記事:飲食店の配膳ロボットとは?機能や導入のメリット・デメリットを解説



居酒屋の人手不足解消を目指すなら『スマートレストランEXPO』へ

居酒屋の人手不足解消方法は様々ですが、上述したデジタル機器やITサービスを活用する場合には、まず知識が必要です。インターネットなどでも情報収集は可能ですが、自店舗に合う方法がわからない場合には、まず展示会へ足を運ぶことをおすすめします。

例えば、「スマートレストランEXPO」では、最新のロボットやAIについて知ることができます。

スマートレストランEXPOの大きなメリットは、実際に機能を体験できることです。ご自身の店舗に合うかイメージしながらじっくりと検討でき、出展企業のスタッフに直接詳しく話を聞くことができます。

また、モバイルオーダーで調理ロボが作った料理を試食できるブースもあり、楽しみながら参加できます。

さらに、スマートレストランEXPOは出展側にも大きなメリットがあります。利用者と直接顔を合わせるため、展示・サンプル配布などのサービス訴求ができ、絶好の商談の機会となります。その場でマッチングが可能であり、個別に営業する時間も削減できます。

スマートレストランEXPOの詳細は以下のとおりです。

スマートレストラン EXPO 東京
2024年11月20日(水)~22日(金)開催

スマートレストラン EXPO 大阪
2025年2月25日(火)~27日(木)開催

来場側・出展側ともにメリットがある「スマートレストランEXPO」へ、ぜひご来場ください。

なお、人手不足を含め、経営や店舗管理に関する課題を解決したい方は、「レストランマネジメントEXPO」への参加がおすすめです。

レストランマネジメントEXPOの会場は、「バックオフィス支援ゾーン」「売上げ/集客UPゾーン」「リスクマネジメントゾーン」の3つの出展ゾーンに分かれています。店舗管理や集客などの課題に合った題材を見つけて足を運べば、自身の店舗の悩みを効率よく解決できるかもしれません。

レストランマネジメントEXPOの詳細は以下のとおりです。

レストランマネジメントEXPO東京
2024年11月20日(水)~22日(金)開催

レストランマネジメントEXPO大阪
2025年2月25日(火)~27日(木)開催

店舗の経営管理や営業強化ができる絶好の機会ですので、ぜひ足を運んでみてください。



課題を把握して居酒屋の人手不足の解消を

居酒屋の人手不足に陥る原因にはいくつかあり、「賃金が低い」「休暇・休憩が少なく拘束時間が長い」「人間関係や過剰なサービスによって感じるストレスが多い」などが挙げられます。

人手不足を解消するには、雇用条件を見直す、研修・評価制度を整えるなどの対策があります。

なかでも、デジタル機器やITサービスを活用することで業務効率化を図れば、少ない人員体制でも安定した店舗運営ができます。

例えば、Web予約システムを導入して電話対応を減らすことや、調理・配膳ロボットを活用してキッチンやホールの作業効率を上げることなどが挙げられます。

デジタル機器やITサービスを活用して居酒屋の人手不足を解消したい方はスマートレストランEXPOへぜひ足を運んでみましょう。

また、すでに導入しているデジタル機器やITサービスをより深く活用したい方や、経営全体の問題を解決したい方はレストランマネジメントEXPOへの参加もご検討ください。



▶監修:泉 明美(いずみ あけみ)

「これからの時代の飲食店マネジメント協会」コンサルタント
飲食チェーン2社の店舗開発(加盟者開発、物件開発)にて加盟者面談から新規出店までの業務全般を担当。FC店スーパーバイザー業務(12店舗)及び、直営店での店舗運営業務に携わる。その後、M&A仲介企業にて飲食店の店舗事業譲渡、店舗造作設備譲渡のアドバイザリー業務など行い、現在、既存、新規商業施設へのテナントリーシング、店舗、企業などのPR業務等に取り組む。



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