予約管理アプリ・システムとは?機能や無料で使えるツール、選び方のポイントを紹介

予約管理アプリ・システムは飲食店やサロン、病院、ホテルなどで導入されているツールです。スマートフォンやタブレット、パソコンの普及に伴い、インターネット上から予約受付を可能にするシステムの重要性は増しています。

本記事では、予約管理アプリ・システムの概要や使える機能の一覧、メリット、デメリットを紹介します。予約管理アプリを選ぶ際のポイントや導入までの流れも紹介するので、導入を検討している方は参考にしてください。




予約管理アプリとは

予約管理アプリとは、予約をデジタルで管理できるツールです。飲食店や美容室をはじめとする様々な業種で導入されており、複数のサービスがある他、使える機能はサービスによって異なります。


予約管理アプリで利用できる機能一覧

予約管理アプリで利用できる一般的な機能は以下のとおりです。

  • ネット予約機能
  • 予約管理機能
  • 事前決済機能
  • 予約受付時の自動応答メールの送信
  • 予約承認時の承認メールの自動送信
  • キャンセルメールの自動送信

機能はアプリやプランによって異なります。自社の店舗に必要な機能をあらかじめピックアップしておき、予算の範囲内で選びましょう。


予約管理アプリと予約管理システムの違い

予約管理アプリは通常、スマートフォンやタブレット、パソコンなどの端末にダウンロードするか、クラウド経由で利用するツールをさします。一方、予約管理システムは従来パソコンに導入するタイプが一般的でしたが、現在クラウド型が増えており様々なデバイスにアクセスできるようになっています。

予約管理システムは、レジシステムとの連携や複数店舗の一元管理など、より高度で複雑な機能を備えている傾向です。両者はそれぞれ予約をデジタル上で管理する点が共通しており、近年では同義で使われることも少なくありません。


予約管理アプリ・システムは無料で利用できる?

予約管理アプリ・システムは無料で利用できるものもあります。フリープランと月額課金制の有料プランが用意されており、ほとんどのサービスでは、有料プランにアップグレードすることで使える機能が増えます。

また、一部の予約管理アプリ・システムは、無料トライアルで一定期間試すことが可能です。しっかりと店舗の運営に活用したいなら有料プランの方が便利なため、無料トライアルやフリープランからはじめ、利便性に応じて有料版へアップグレードすることをおすすめします。


無料で導入できる予約管理アプリ・システム

無料で導入できる予約管理アプリ・システムは複数あります。サービスごとに利用可能な機能や無料の条件が異なるため、事前に確認しておきましょう。無料で利用できるサービスの一例は以下です。



予約管理アプリ・システムを導入するメリット

予約管理アプリ・システムを導入するメリットは以下のとおりです。

  • 予約管理業務や受付業務を効率化できる
  • 24時間受付可能で機会損失を防ぎ売上に貢献する
  • 無断キャンセルの対策ができる
  • 顧客情報を蓄積・分析しマーケティングに活用できる

それぞれ詳しく紹介します。


予約管理業務や受付業務を効率化できる

予約管理アプリ・システムは、予約管理業務や受付業務を効率化ができる点がメリットです。電話や手書きでの予約対応の手間を削減し、業務にかかる時間や人件費を削減できます。予約の確認や変更はアプリ上で行えるため、スタッフの業務負担軽減にもつながるでしょう。

予約の自動受付やリマインド機能により、ダブルブッキングや予約忘れなどの人的ミスを防ぐことも可能です。なかにはシフト管理機能を備え、スタッフの稼働状況を一元管理できるアプリ・システムもあります。


24時間受付可能で機会損失を防ぎ売上に貢献する

電話予約のみの場合、営業時間外の受付ができず、顧客の取りこぼしが発生するかもしれません。予約管理アプリ・システムを導入すれば24時間オンライン上で予約の受付・管理ができるようになり、機会損失の防止につながります。

また、仕事や用事で日中電話ができない人にとって、夜間や早朝など時間を問わず予約ができる点は便利です。導入により顧客満足度の向上にも貢献します。


無断キャンセルの対策ができる

2018年11月に経済産業省が発表した「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」によると、無断キャンセルの割合は予約全体の1%弱を占めており年間で約2,000億円にものぼります。 

そのため、予約完了メールやリマインドメール、事前決済機能を搭載した予約管理アプリ・システムがあれば、無断キャンセルのリスクを軽減しつつ、安定した売上の確保が可能です。

無断キャンセルは飲食業界の深刻な課題ですが、予約管理アプリ・システムを導入することで課題を解決できる可能性があります。


顧客情報を蓄積・分析しマーケティングに活用できる

予約管理アプリ・システムでは、顧客情報や顧客の来店頻度、サービスの利用状況などを自動で記録できます。リピーター向けの特典を用意する、特定の顧客に向けたメッセージを配信するなど、顧客満足度を向上させるための戦略に活用が可能です。

リピーターの増加につながる他、来店時間や利用されたクーポンの傾向などを分析すれば、新規顧客獲得に向けたマーケティング戦略の参考にもなるでしょう。



予約管理アプリ・システムを導入するデメリット

予約管理アプリ・システムを導入するデメリットは以下のとおりです。

  • 導入や運用に一定のコストがかかる
  • インターネット環境やシステム障害の影響を受けやすい
  • 操作に慣れるまで時間を要する
  • 店舗の特性とカスタマイズ機能がマッチしない可能性がある

それぞれ詳しく紹介します。


導入や運用に一定のコストがかかる

予約管理アプリ・システムは無料プランがあるものの、本格的に運用する場合は有料プランが必要になることがほとんどです。初期費用や月額費用が発生するため、店舗によってはコスト負担となる可能性があります。

無料のプランから開始し、使い勝手や導入後の利益向上に貢献するかをテストしてみてから導入するのも選択肢のひとつです。


インターネット環境やシステム障害の影響を受けやすい

予約管理アプリ・システムはインターネット環境に依存するため、通信障害やシステム障害が発生すると使えなくなるリスクがあります。例えば、アクセスが集中しやすい繁忙期にシステムがダウンすると大きな混乱や損失につながるかもしれません。

予約管理アプリ・システムを安心して利用するためには、サービスの質やレビューをチェックする他、システム障害発生時の対応なども確認しておきましょう。緊急時専用の電話予約窓口の用意や予備のインターネット回線を用意しておくと安心です。


操作に慣れるまで時間を要する

予約管理アプリ・システム導入後は、初期設定やスタッフへの操作教育にも手間と時間がかかります。設定ミスがあるとうまく動作しないなどのトラブルも発生するかもしれません。

操作ミスを防ぐためには導入前後に研修を行う、マニュアルを作成するなど体制を整えておくことが大切です。


店舗の特性とカスタマイズ機能がマッチしない可能性がある

予約管理アプリ・システムは便利な機能が使えますが、特定の店舗の仕様に特化して作られていないため、不便に感じる点もあるかもしれません。例えば、独自の予約ルールや割引制度などをシステムに反映することが難しいケースもあります。

一部の予約管理アプリ・システムでは、業態にあわせてカスタマイズ機能が用意されていることがあります。そのため、機能を比較して店舗の業種に適したものを選びましょう。カスタマイズで対応不可な場合、別途手作業で行うなど柔軟に対応することが大切です。



予約管理アプリ・システムの選び方

予約管理アプリ・システムは以下の点に注目・比較して選びましょう。

  • 予約管理機能の内容と操作性
  • 業種に適した連携機能やカスタマイズ性
  • 初期費用・月額料金の妥当性
  • 事前決済機能の有無や決済手段の豊富さ
  • 顧客管理機能の内容
  • 導入時や導入後のサポートの有無

それぞれ詳しく紹介します。


予約管理機能の内容と操作性

予約管理アプリ・システムを選ぶ際には、予約管理機能が自社の業務フローに適しているかの確認が重要です。席のみ予約やコース予約など店舗にとって必要な機能が予約管理アプリに搭載されているかをチェックしましょう。

システムの操作性もチェックすべき重要なポイントです。スタッフ、顧客の両方が直感的に操作できるか、スマートフォンやタブレットなどの端末でスムーズに使えるかなどを確認しましょう。

使いやすい予約管理アプリ・システムは、スタッフと顧客双方の満足度を向上させるだけでなく、導入後の操作ミスやトラブル防止にも貢献します。


業種に適した連携機能やカスタマイズ性

予約管理アプリ・システムは業種ごとに求められる機能が異なるため、自社の店舗に適した予約管理アプリ・システムを選ぶことが大切です。例えば、飲食店ならテーブル管理機能、美容院ならスタッフ指名機能、クリニックなら問診票の事前入力機能など、業種ごとに必要な機能の有無を確認しましょう。

POSレジや顧客管理システム、メール配信ツールなど、既存のシステムと連携できるかどうかも重要なポイントです。POSレジと連携できれば、売上データや予約情報を一元管理できるため、業務効率化に役立ちます。

POSレジについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

▶関連記事:POSレジとは?POSシステムとの違いや機能、導入メリットや選び方を解説


初期費用・月額料金の妥当性

予約管理アプリ・システムには、無料プランから高機能な有料プランまで様々な料金体系があります。導入時に発生する初期費用だけでなく、月額料金が予算に対して適正かどうかを検討しましょう。

追加オプションや決済手数料など、機能ごとにコストが発生しないかも事前に確認しておくことが大切です。導入コスト以上の恩恵を受けられるかが重要なポイントになります。


事前決済機能の有無や決済手段の豊富さ

予約管理アプリ・システムによっては、事前決済機能を備えているものがあります。特に、無断キャンセルや直前のキャンセルを防ぎたい業種では、事前決済が可能な予約管理アプリ・システムの導入がおすすめです。

クレジットカードやデビットカード、キャリア決済、QRコード決済など、複数の決済手段に対応していると便利です。特定の決済手段に限定されていると顧客が不便に感じる可能性があるため、多様な支払い方法に対応しているアプリ・システムを選ぶことをおすすめします。


顧客管理機能の内容

顧客情報を細かく収集してくれる予約管理アプリ・システムは、将来的な利益の向上に貢献します。予約履歴や来店頻度、利用サービスの詳細などを記録できる機能があると、顧客に合わせたサービス提供が可能になるためです。

誕生日クーポンの配布や、特定の顧客に向けたプロモーションを行える機能があれば、リピート率の向上にもつながるでしょう。顧客データを活用しやすいアプリ・システムを導入すれば、リピーター獲得やマーケティングへの活用が可能です。


導入時や導入後のサポートの有無

予約管理アプリ・システムを導入する際には、操作方法の説明や設定サポートが受けられるかどうかも重要なポイントです。導入時のサポートが充実していると、スムーズに予約管理アプリ・システムの運用を開始できます。

また、トラブル発生時に迅速に対応してもらえるかも確認しておきましょう。電話やチャット、メールサポートの有無、対応時間、サポート料金をチェックし、安心して運用できるアプリ・システムを選ぶことが大切です。



予約管理アプリ・システム導入までの流れ

予約管理アプリ・システム導入までの大まかな流れは以下のとおりです。

  • 導入の目的を明確にする
  • 導入後の目標を設定する
  • 運用期間を決める
  • インターネット環境を整備する
  • 導入するアプリを決める
  • 管理・運用体制を整備する
  • 無料トライアルに申し込む
  • 正式に導入して運用を開始する
  • 成果を見ながら運用方法を改善する

予約管理アプリ・システムは便利なツールですが、導入前の目的・目標設定が重要です。店舗にとって効果的な予約管理アプリ・システムを導入できれば、作業効率の改善や売上の向上など、様々な恩恵が見込めます。

一方、使いづらいものや業態に適していないものを導入すると、維持・運用コストがかかるだけでなく、スタッフや顧客の混乱につながるかもしれません。

なお、実際の導入手順はアプリ・システムによって異なります。気になる予約管理アプリ・システムがある場合は、導入を検討しているサービスの運営会社に問い合せ、導入までの手順や運用開始までの期間、維持コストなどに関して聞いてみると良いでしょう。


予約管理アプリ・システムを導入した飲食店の活用事例

予約管理アプリ・システムは各業界で活用されていますが、そのなかでも飲食店は導入が活発な業界のひとつです。実際に予約管理アプリ・システムを導入し、成果を挙げている事例を紹介します。

ひとつ目は、レストラン事業を行う企業の事例です。分析業務の効率化と、迅速な店舗状況の把握に悩んでいたことを理由に予約アプリ・システム機能を含むクラウド型レジを導入し、月40時間かかっていた分析作業の削減に成功しています。

ふたつ目は、少人数で営む飲食店の事例です。従来利用していた予約システムでサーバーダウンが発生し、サポート体制の不十分さに悩んでいたことを理由に、他の予約アプリ・システムを導入しました。

サポート体制が十分な予約アプリ・システムの導入したことにより、継続的な機能改善やアップデートが行われ、使い勝手が向上し続けている点を大きなメリットに感じているようです。



予約管理アプリ・システムの導入を検討しているなら「スマートレストランEXPO」へ

予約管理アプリ・システムの導入を検討しているなら、ぜひ「スマートレストランEXPO」にご来場ください。「スマートレストランEXPO」とは、飲食店の自動化・デジタル化に特化した展示会です。業務効率化・人手不足問題などの悩み・課題を解決するデジタル機器・サービス(ロボット・IoT・AIなど)が出展します。

予約・決済アプリ・システム、モバイルオーダー、セルフレジ、キャッシュレス決済システムなども多く出展するため、情報収集や導入検討を効率的に行うことが可能です。

飲食店の経営や店舗管理の課題を解決するための専門展である「レストランマネジメントEXPO」も同時開催します。「レストランマネジメントEXPO」では、受発注システムや勤怠管理システム、マーケティングに関する有益な情報の収集が可能です。

展示会は事前登録すれば無料で入場可能なので、予約管理の業務効率化や飲食店経営に役立つ最新技術に興味がある方は、ぜひこの機会にご来場ください。

また、展示会は出展側としての参加も可能です。飲食店をはじめとする業種の経営、システム、店舗開発部門の方々が来場するため、自社製品の認知度向上や他社との商談の機会にもご活用いただけます。

■スマートレストランEXPO 2025
 会期:2025年12月3日(水)〜5日(金)
 会場:幕張メッセ

詳細はこちら

■レストランマネジメントEXPO 2025
 会期:2025年12月3日(水)~5日(金)
 会場:幕張メッセ

詳細はこちら



予約管理アプリ・システムは業務の効率化と機会損失の防止が可能

予約管理アプリ・システムは、予約をデジタル管理できるツールです。近年ではスマートフォンの普及とともに、オンライン上でお店を探す人が増えているため、予約管理アプリ・システムの重要性が増しています。

予約管理アプリ・システムを導入すれば、時間を問わずオンライン上での予約受付が可能になるため、業務効率化だけでなく機会損失の防止にもつながるでしょう。

予約管理アプリ・システムの導入を検討しているなら、ぜひ「スマートレストランEXPO」「レストランマネジメントEXPO」にご来場ください。

予約管理アプリ・システムをはじめとする、飲食店の業務効率化や課題解決に役立つ製品の展示や関連企業による講演が行われます。情報収集や他社との商談の機会にご活用ください。

■スマートレストランEXPO 2025
 会期:2025年12月3日(水)~5日(金)
 会場:幕張メッセ

詳細はこちら

■レストランマネジメントEXPO 2025
 会期:2025年12月3日(水)~5日(金)
 会場:幕張メッセ

詳細はこちら



▶監修:宮崎 政喜(みやざき まさき)

エムズファクトリー合同会社 代表 / 料理人兼フードコンサルタント

出身は岐阜県、10代続く農家のせがれとして生まれ、現在東京在住。プロの料理人であり食品加工のスペシャリスト。また中小企業への経営指導、食の専門家講師も務めるフードコンサルタントでもある。飲食店舗・加工施設の開業支援は200店舗以上。料理人としてはイタリア トスカーナ州2星店『ristorante DA CAINO』出身。 昨今、市町村や各機関からの依頼にて道の駅やアンテナショップも数多く手掛ける。今まで開発してきた食品は1000品目を越え、商品企画、レシピ開発、製造指導、販路開拓まで支援を日々実施している。



▼この記事をSNSでシェアする


■関連する記事