在庫管理とは?目的と重要性から課題や効率化のアイデアまで解説

在庫とは、「商品や原材料などの形で保管されているもの、または輸送中の棚卸資産」のことです。その在庫を適切に管理する「在庫管理」は、現場の重要な業務です。在庫管理は煩雑になりやすい業務ですが、適切に行うことで経営状況が改善する可能性もあり、やり方を模索している方も多いかもしれません。

本記事では、在庫管理の目的や課題を解説します。在庫管理の課題や効率化アイデアも紹介するため、仕組みを改善したいと思っている方はぜひご覧ください。



在庫管理とは?

在庫管理とは、在庫数を管理し、必要量を必要なタイミングで供給できるようにすることをさします。また、商品の管理中に管理物の品質が損なわれないように、適切な環境管理(温湿度、衝撃など)で品質を担保することも重要です。

在庫管理に含まれるのは、以下のような業務です。

  • 入出庫管理
  • 在庫の発注
  • 返品管理
  • 棚卸

在庫数の増減や入出庫のタイミングを把握するための作業など、全てが在庫管理に含まれます。

 



在庫管理の目的と重要性

適切な在庫管理は、健全な企業経営に必須です。ここでは、在庫管理を行う目的と、なぜ重要視されているのかを3つの視点から解説します。

  • 適切な在庫を保つ
  • キャッシュフローを改善する
  • 生産性が向上する

それぞれ、詳しくみていきましょう。


適正な在庫を保つ

実際の在庫数や在庫数の増減を把握することで、過剰在庫を防げます。在庫数が適切に保てれば、保管スペースを確保したり、期限切れをなくしたりできるのがメリットです。

不要な在庫がなくなれば、保管スペースや保管期間を削減できるので、コストが削減できます。期限切れの在庫を減らせればロスがなくなり、ムダな生産や仕入れも減らせるでしょう。

ただし、抱える在庫数は少なければいいというわけでもありません。適切な在庫を持つことで欠品をなくせるため、機会損失も防げます。


キャッシュフローを改善する

在庫を持ちすぎると、キャッシュフローが悪化します。キャッシュフローとは、企業の経営活動を通じて生じる現金の流れをさす言葉です。

在庫を長期間持つと資金が商品として固定され、その量や期間が過剰になると、資金繰りの悪化につながります。事業で利益が出ていても売掛金が回収できず、借入金の返済や給与支払いができなければ経営を続けられません。

過不足ない適正な在庫数を維持することで、現金が手元に残りやすくなり、会社経営の健全化につながります。


生産性が向上する

在庫を適切に管理することで、物を探す時間を減らしたり、欠品により作業できない時間を防いだりできます。

抱える在庫が多すぎると、必要な物をすぐに取り出せません。また、在庫を適切な状態で管理する仕事も増え、業務のムダが増えてしまいます。

過剰在庫を防いで管理する在庫を減らすことで工数が減り、他の業務に人員を割けるようになるでしょう。



在庫管理の課題

在庫管理では、「在庫保存の長期化による品質劣化」「長期間保管された不良在庫の存在」「拠点を超えた在庫状況の共有ができない」など、陥りやすい課題がいくつかあります。

ここでは、なかでも以下の2つを紹介します。

  • 保管場所が分からず商品探しに手間と時間がかかる
  • 正しい数量を把握できずに過不足が起きる

保管場所がわからず商品探しに手間と時間がかかる

在庫管理の業務は煩雑で、手間と時間がかかります。

管理が不十分な状態では保管場所が分からなくなり、必要な商品が見つからないことがあります。保管場所を決めていても棚が埋まっていたり、見えない位置に置いていたりすると、探し出せないこともあるでしょう。

また、保管場所が把握できていないと、在庫商品の資産価値を算出するために在庫数を確認する「棚卸作業」にも時間がかかります。

在庫を正確に管理するためには、現在の位置情報を共有する必要がありますが、リアルタイムの管理は難しく、在庫管理方法がルール化されていないと属人化する可能性があります。属人化した状態では、担当者不在時に業務が滞ってしまう点も課題です。


正しい数量を把握できずに過不足が起きる

在庫管理業務では、数量のカウントと記録を頻繁に行う必要があります。在庫を動かすたびに情報を更新するため、人為的ミスが起こりやすい業務です。

入力ミスや在庫数のカウントミスなどによって、在庫数の過不足がよく起こるのも問題です。そのたびに再チェックを行うと、余計な時間もかかります。

特に、拠点が複数ある場合は注意が必要です。リアルタイムで各場所にある在庫の情報を反映しないと、無駄な発注が増えるかもしれません。



在庫管理を効率的に行う方法

在庫管理の効率化を行う方法は、大きく分けて2種類あります。

  • ルールを標準化しマニュアルを整備する
  • IoTを導入する

具体的な施策も含めて、効率化の方法を解説します。


ルールを標準化しマニュアルを整備する

在庫管理のルールが曖昧な職場では、業務の無駄が増えます。まずは、ルールを整備し、運用することから始めましょう。

具体的には、以下のような内容を整備していきます。


適正在庫の把握

過剰在庫や欠品を防ぐために、必要な在庫数を算出します。適正在庫は、「サイクル在庫+安全在庫」で求めるのが一般的です。

「サイクル在庫」とは、発注から次の発注までの期間に消費される在庫の半分を指します。また、「安全在庫」は品切れを防ぐために最低限持っておくべき在庫数のことです。

安全在庫は、以下の計算式で求められます。

  • 安全在庫=安全係数(1.65)×使用量の標準偏差×√(発注リードタイム+発注間隔)

適切な発注

在庫を管理するには、適切な発注方式で発注する必要があります。管理状況に合わない発注を続けていると、過剰在庫や在庫不足につながるでしょう。

在庫管理の発注方式には以下の6種類があり、それぞれ特徴が異なります。

安定した出荷量の場合は定量発注方式でも問題ないですが、時期によって需要に差がある場合などは都度必要数を発注する方式をとるなど、商品の特性に合わせて選ぶのが重要です。


先入れ先出し

先入れ先出しとは、先に入庫した物から使う仕組みのことです。古い物から使うことで保管期間が短くなり、商品の劣化を防げるのがメリットです。

この管理方法は、使用期限のある材料や商品を扱う場合に有効です。


ロケーション管理

倉庫内に住所を決めるイメージで、場所を管理するのがロケーション管理です。特に大型の倉庫では、ロケーション管理の考え方が欠かせません。

具体的には、以下の2つの管理方法があります。

  • 固定ロケーション:アイテムごとに保管場所を決める方法。場所が覚えやすい反面、在庫毎に空きスペースが必要で柔軟性に欠ける。
  • フリーロケーション:流動的に開いている場所に保管する方法。保管場所がわかるように、記録を取る必要がある。倉庫内の在庫情報とロケーション情報を連携して登録する必要があり、ハンディーターミナルなどのIoT機器の整備が必須。

作業標準書の作成

業務の属人化に悩んでいる企業は、標準化と作業標準書の作成が有効です。

標準化とは、全員が守るべきルールを定め、徹底させることをさします。徹底させるためには「徹底させる仕掛け」が必要ですが、IoT活用がその手段のひとつといえます。

標準化しても、口伝では途中でルールが変わるかもしれません。ここで役立つのが、作業のやり方を書面にまとめた「作業標準書」で、ルールの徹底や新人への教育にも使えます。


IoTを活用する

在庫管理の精度を上げや効率化に役立つのがIoT技術との連携です。導入コストはかかりますが、長期的に見ると人員を割いて管理し続けるよりメリットが多くなります。

具体的に、IoTを在庫管理に活用する事例を見てみましょう。


IoT重量計

IoT重量計を用いると、計測した情報を紙に書き起こしたり、パソコンに手入力したりする必要がありません。

人的ミスと手間を減らすのに役立ちます。重量を在庫数に換算したり、管理アラートを設定できたりするのもメリットです。


ハンディーターミナル

ハンディーターミナルは、コードを読み取るだけで在庫確認ができる機器です。

この機器を使えば人力で数量カウントをする必要がなくなり、ミスの削減と作業の効率化につながります。


在庫管理システム

在庫管理システムを活用すれば、在庫を複数の場所で同時に見られ、情報共有が簡単になります。生産数やコストの情報とも紐づけられるため、損失をおさえられる点もメリットです。



食品工場の在庫管理を効率化するなら「フードテックジャパン」へ

食品工場などにおいて在庫管理を効率化したい場合は、IoTの活用をおすすめします。前述のとおり、IoT技術との連携は在庫管理の精度上げや効率化につながります。

IoTの活用を検討している方は、まず情報収集から始めてみましょう。ネットなどで情報を集めることもできますが、「実際に製品を見たい」「デモを体験したい」という場合は、展示会などへの参加も検討してみてください。

食品工場の自動化やDXに特化した展示会「フードテックジャパン」には、IoT製品を扱うメーカーや商社、食品工場のDXに関連する企業が集まるため、在庫管理を改善するヒントを掴めるかもしれません。

会場では、一日で様々な技術を比較検討できる他、大手食品メーカーのセミナーを聴講でき、他社の成功事例から学べるのも特徴です。

在庫管理の課題について技術相談をしながら、多くのメーカーを比較できるため、ぜひご参加ください。

なお、来場だけでなく出展者側として参加することにもメリットがあります。課題を抱える企業とつながり、自社の製品を大いにアピールできる他、導入を前向きに考えている企業と商談でき、案件獲得につながります。

来場、出展ともにメリットがあるので、ぜひ参加をご検討ください。

フードテックジャパンの詳細は以下のとおりです。

■フードテックジャパン大阪

■フードテックジャパン東京



適切な在庫管理方法で業務効率化・経営の健全化を目指そう

在庫管理は、適正な在庫を保ち、生産性向上やキャッシュフローの改善に結びつく重要な業務です。

しかし、管理が煩雑になりやすく、人為的ミスが起こりやすいなど、課題を抱える企業も多いでしょう。

効率化する方法には、ルールの標準化やIoTの活用があります。自社の規模や状況に合った方法を取り入れることが、在庫管理の課題解決には必要です。

IoT技術を活用した在庫管理の効率化を検討しているなら、まずは最新情報を収集することからはじめ、実際に様々な技術を比較検討することをおすすめします。

フードテックジャパンの詳細は以下のとおりです。
 

■フードテックジャパン
 「フードテックジャパン大阪」詳細はこちら
 「フードテックジャパン東京」詳細はこちら



▶監修:門脇 一彦(かどわき かずひこ)

岡山商科大学経営学部特任教授、キャリアセンター長、國學院大學経済学部兼任講師
1959年大阪市生まれ。神戸大学経営学研究科博士後期課程、博士(経営学)。大手空調企業で機器開発及び業務改革を実践後、ITコンサルタントを担い現在に至る。2021年より現職。経営戦略、技術管理、IT活用、医療サービスマネジメントなどを研究。




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