MEO対策の費用相場はどのくらい?外注先選びのポイントと料金を抑えるコツを解説

店舗型の飲食店を経営する場合、MEO対策はマーケティングでも重要な要素のひとつです。はじめてMEO対策を行うにあたり、「費用相場がわからない」「どの会社に依頼するか選べない」などの悩みを抱えている方がいるかもしれません。

本記事では、MEO対策を外注した場合の費用相場や、依頼する会社選びのポイントを紹介します。費用を抑えるためのコツも紹介するので、飲食店経営者でMEO対策を検討している方や、飲食店のマーケティングに携わり、MEO対策に興味がある方はぜひ参考にしてください。

なお、開業時のプロモーション戦略や通常営業時の販売促進費、広告宣伝費に予算を掛けられる飲食企業にとっては、MEO対策を外注へ依頼することは有効的な選択肢です。

一方、特に小規模事業者、月商300万円以下の飲食店にとって、有料のMEO対策は経費の負担になるかもしれません。事前に知識を得る必要があり手間はかかりますが、MEO対策はご自身でも可能です。




MEO対策とは「地図エンジン最適化」のこと

MEOとは、Map Engine Optimizationの略です。地図エンジン最適化を意味し、主にGoogleマップ上での検索結果で上位表示されるための施策を「MEO対策」と呼びます。

ブログや自社ホームページが検索エンジン上で上位表示されるために行う施策は「SEO対策」と呼びますが、MEO対策はSEO対策の地図バージョンと考えるとわかりやすいでしょう。

例えば、「エリア名+ジャンル」(例:新宿 イタリアンなど)で検索した際に、MEO対策によって自社の店舗が上位表示されれば集客効果が期待できます。


MEO対策が重要視される理由

従来の飲食店検索は「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」などのオンラインプラットフォームがメインでしたが、近年スマートフォンの普及により、スマートフォンを使用して店舗やサービスを探すユーザーが増えています。

特に圧倒的な検索エンジンのシェア、総合的な情報提供力の高さなどから、Googleマップで飲食店を探す方が増えています。

Googleのベニスアップデート(ヴェニスアップデート)では、位置情報の活用によって現在地にあわせて店舗が表示されるようになりました。Googleでは「イタリアン」や「焼肉」など、特定のキーワードを入れると、キーワードに応じた近くの店舗が表示されます。

ベニスアップデートによってエリア名なしでも近くの店舗が表示されるようになったため、MEO対策は重要視されているマーケティング施策のひとつです。

一部企業の調査では、Googleマップで表示されたお店に行った経験がある人は7割以上との調査結果もあります。スマートフォンの普及状況やGoogleの仕様を考慮すると、MEO対策はマーケティング効果が期待できるでしょう。


MEO対策の外注にかかる費用相場

MEO対策を外注した場合にかかる費用の相場を簡潔に紹介すると以下のとおりです。

それぞれの費用相場を以降で詳しく紹介します。


初期費用:無料〜5万円

MEO対策を行うためには、以下のような事前準備が必要です。

  • Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)のアカウントや基本情報の登録
  • メニューや店舗の写真撮影・登録

MEO対策を外注すると、事前準備にかかる初期費用が設定されている場合があります。

登録だけであれば、少し知識があれば比較的簡単です。他社と差別化を図るため、初期費用無料で受注している企業も少なくありません。


成果報酬型:500〜1,200円

成果報酬型の場合、1日あたり500〜1,200円程度が相場です。成果報酬型とは、検索で特定の順位以内に表示された日数をもとにして料金が発生する方式をさします。

外注すると、エリア名や業種等を組み合わせた数種類の対策キーワードの設定、画像・テキストの追加や変更を行ってくれます。キーワード数やオプションによって料金が上下する場合があるので、プラン内容はよく確認しておきましょう。

例えば、3位以内に表示された際、1,200円/日の料金が発生する条件と仮定します。この場合、1ヶ月のうち25日条件を達成すると、支払い費用は3万円(1,200円×25日)です。

成果報酬型の場合、条件を達成しなければ基本的に費用は発生しないため、はじめてのMEO対策で費用を抑えたい場合はおすすめです。


月額固定型:3〜5万円

月額料金を支払ってMEO対策を行う方式の月額固定型では、月額3〜5万円が相場です。

各種登録や設定の代行に加え、コンサルティングやレポートの共有などが含まれるケースが多く、一定期間外注したのち、自社でMEO対策を行う方に向いています。

MEO対策を外注しながら、コンサルティングやレポートでノウハウを理解できる点がメリットです。成果報酬型とは違い、成果が出なくても毎月料金が発生するため、予算を決めて依頼しましょう。


MEO対策費用に影響する5つの要素

MEO対策費用に影響する要素は主に以下の5つです。

  1. 初期費用
  2. 対策キーワード数
  3. 契約期間
  4. 順位計測システム
  5. 対策内容・オプションサービス

それぞれに含まれる概要を以降で詳しく紹介します。


1.初期費用

初期費用は、MEO対策をはじめるにあたって必要な費用です。Googleビジネスプロフィールへの登録や設定が主に含まれています。

MEO対策の初期設定はSEO対策やリスティング広告に比べて手間が少ないため、近年では初期費用無料で受注している企業も少なくありません。


2.対策キーワード数

MEO対策では、特定のキーワードの設定が必要です。設定したキーワードで検索された際に自社の店舗が表示されるように対策します。なお、対策キーワード数が多いほど金額が高くなる傾向にあります。

対策キーワード数は少なすぎても、多すぎてもよくありません。少なすぎると流入経路が少なくなり、多すぎると広く浅いMEO対策になるので注意しましょう。

店舗の集客に効果がある効果的な適度な数のキーワードを選定して設定することが大切です。


3.契約期間

契約期間は月単位から年単位まであり、外注する企業によって異なります。月額料金を明記している企業もあれば、店舗の詳細を共有してから料金を教えてくれる企業もあるため、料金形態は事前に確認しましょう。

MEO対策はSEO対策同様、成果が出るまで一定の期間を要する場合も少なくありません。半年や1年単位での外注を前提として予算を組みましょう。もし予算に余裕がない場合、特定の成果が出た時にだけ費用が発生する成果報酬型の企業へ外注することをおすすめします。


4.順位計測システム

MEO対策では、基本的に毎日順位を計測し、順位計測システムを用いて状況を分析します。順位計測システムは、外注先企業の自社システムを利用する場合や、他社システムを利用する場合など様々です。

自社システムを利用している企業では、システムの改善をしながらデータを取得しているケースもあります。性能のアップデートによって得られた新しいデータを取得する際には、別途費用が発生することもあるので注意しましょう。


5.対策内容・オプションサービス

MEO対策の細かい内容は、企業や契約するプランによってもカバーされる範囲が異なります。一般的な企業では、以下がMEO対策に含まれる主な内容です。

  • Googleビジネスプロフィールへの登録
  • 各種設定
  • 順位計測

例えば、プランをアップグレードすることで詳しいレポートの提供や、口コミへの返信や新規投稿を代行してくれる企業もあります。他にも、別途料金を支払うことで対策内容を増やせるオプションサービスを提供する企業もあるなど、依頼先によって様々です。

契約を考えているプランに含まれる対策内容やオプションサービスの内容は、契約前によく確認しましょう。



MEO対策の外注先を選ぶ際に注目するべきポイント

MEO対策を外注する場合、費用以外に以下のポイントに注目しましょう。

  • 十分な実績があるか
  • 得意な業種はなにか
  • ノウハウを共有してくれるか
  • ガイドラインを遵守しているか
  • 対策方法や計測方法が明確か
  • 受け身ではなく提案型の企業体質であるか
  • 解約時に不条理な条件がないか
  • 担当者に誠意があるか
  • 連絡のレスポンスが早いか

MEO対策を依頼するなら、得意な業種や実績を確認し、自店舗にマッチした企業に依頼しましょう。特定の業種に特化しており、実績豊富な企業であれば成果が期待できます。

なお、MEO対策は長期的に行うことが大切です。将来的に自社で運用していけるようにノウハウや対策方法、計測方法を詳しく共有してくれる企業への依頼をおすすめします。

その他、ガイドラインを遵守しているかもチェックしてください。不正行為によって上位表示させるなど、Googleガイドラインに違反していると最悪の場合アカウントが強制停止されます。

また、外注先を選ぶ際は信頼できる方からの紹介がおすすめです。ホームページからは分からない企業や担当者の傾向がわかれば、より安心して依頼できます。離職率が高く担当がコロコロ変わるような外注先は避けましょう。



MEO対策費用を抑えるためのポイント

MEO対策費用を抑えるためのポイントは以下のとおりです。

  • 依頼は必要なサービスだけに絞る
  • 複数社から見積もりをとって比較する
  • 長期契約も検討する

MEO対策では、依頼する業務量が多いほど費用が高くなるため、口コミ対応やSNSの返信は自社で対応するなどし、依頼する業務量を必要最低限に絞り込みましょう。オプションサービスを加える必要がなくなれば、予算を抑えられます。

また、予算や依頼する内容を決めたら複数社から見積もりをとってください。最初から一社だけに絞ると、費用が高いか安いかを客観的に判断しにくくなるため、比較して相場間隔をつかんだうえで、納得できる費用の業者に依頼することをおすすめします。

なお、MEO対策は一時的に集客を増やす施策ではなく、長期的に運用して分析・改善する必要があるため、長期契約がおすすめです。将来的に自社で運用を考えている場合は、レポートの共有やコンサルティング力に優れた業者を選びましょう。



MEO対策に関する情報収集なら「レストランマネジメントEXPO」へ

MEO対策の費用相場や注意点がわかっても、MEO対策に関する知識がゼロだと、必要なサービスの判断や自社にとって有効なMEO対策、依頼するべき外注先の判断が難しいかもしれません。

そのため、MEO対策を検討している場合はMEO対策に関する情報収集からはじめましょう。飲食店でのMEO対策に興味がある方や、マーケティングに携わっている方はぜひ「レストランマネジメントEXPO」にご来場ください。

レストランマネジメントEXPOは、飲食店の経営や店舗管理の課題を解決するための展示会です。

会場は「集客支援ゾーン」「バックオフィスゾーン」「リスクマネジメントゾーン」の3つに分かれています。集客支援ゾーンではMEO対策をはじめ、飲食店の集客に効果的な最新のデジタルマーケティング手法に関する情報の収集が可能です。

さらに、飲食店の自動化・DXに特化した展示会「スマートレストランEXPO」も同時開催されます。スマートレストランEXPOは、人手不足問題・労働環境の改善などの課題を、デジタル技術で解決する企業が、最新ソリューションやサービスを出展する展示会です。MEO対策に関する情報に加え、飲食店の経営に役立つ情報の収集や、製品の比較にご活用ください。来場事前登録をすれば同時開催展にも無料で入場可能です。

なお、来場だけでなく出展者側として参加することにもメリットがあります。課題を抱える企業が集まるなかで自社のサービスや製品を大いにアピールできる他、導入を前向きに考えている企業と商談でき、案件の獲得につながります。

来場、出展ともにメリットがあるので、MEO対策に携わる方や飲食店の経営やマーケティングに携わる方は、ぜひ参加をご検討ください。

レストランマネジメントEXPO
2025年12月3日(水)~5日(金)開催



MEO対策費用を抑えるためには必要なサービスの見極めが重要

MEO対策とは、主にGoogleマップ上で上位表示させるための施策をさします。外注が可能で、初期費用は無料〜5万円、成果報酬型は500〜1,200円前後、月額固定型は3〜5万円が相場です。

スマートフォンの普及により、地図上の検索で行くお店を決める人が増えているため、MEO対策は集客に大きく影響します。ただし、MEO対策を外注する際に自社の店舗にとって必要なサービスが理解できていないと費用ばかりが増え、効果が出ないこともあるので注意しましょう。

MEO対策に関する有益な情報収集に興味がある方や、飲食店のマーケティングに携わっている方はレストランマネジメントEXPOにぜひご来場ください。MEO対策をはじめとする飲食店のマーケティングに関する有益な情報収集ができます。

同時開催されるスマートレストランEXPOでも、飲食店のマーケティングに役立つ情報収集や製品の比較が可能です。来場者、出展者双方にメリットがあるので、ぜひこの機会にご活用ください。

レストランマネジメントEXPO
2025年12月3日(水)~5日(金)開催



▶監修:宮崎 政喜(みやざき まさき)

エムズファクトリー合同会社 代表 / 料理人兼フードコンサルタント

出身は岐阜県、10代続く農家のせがれとして生まれ、現在東京在住。プロの料理人であり食品加工のスペシャリスト。また中小企業への経営指導、食の専門家講師も務めるフードコンサルタントでもある。飲食店舗・加工施設の開業支援は200店舗以上。料理人としてはイタリアトスカーナ州2星店『ristorante DA CAINO』出身。昨今、市町村や各機関からの依頼にて道の駅やアンテナショップも数多く手掛ける。今まで開発してきた食品は1000品目を越え、商品企画、レシピ開発、製造指導、販路開拓まで支援を日々実施している。



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